全国津々浦々で、さまざまなセミナーが催されています。
どんなセミナーであれ「参加する以上は実のあるものにしたい」という思いで受講生は来場するでしょう。
そこで、今回は参加者をひき込む魔法のコツをご紹介いたします。あなたのビジネスライフを、ぜひ一緒に輝かせてみませんか。
目次
セミナー魔法のコツその1:大枠を事前に決めよう!
あまりセミナー講師に慣れていない方は、「台本」を作ってみるところから始めてみましょう。
「原稿の間違いじゃないのか」と思われる方もいるかもしれません。
たしかに、「原稿」でも意味は通りますが、今回はあくまでも「台本」としています。
セミナーには舞台やドラマに通じるところがあり、どのような話をするかのイメージを事前に固めておくことは大切です。
そのために必要な一番のコツこそが、この「台本」なのです。
先に台本を作ったうえでセミナーに臨むことで、参加者のこちらへの関心度合いをグッと高めることができるでしょう。
突然ですが、「これは面白い!」と思った舞台やドラマを思い浮かべてみてください。
小説や漫画、アニメなどでも構いません。
そして、思い浮かんだ作品には、「大筋がはっきりしていて、何かしら視聴者に訴えかけるものがあり、大なり小なり意外性がある」ものも含まれているのではないでしょうか。
話づくりにおいてはこうしたことは大前提なのですが、実はセミナーにおいても似たようなことがいえるのです。
講師が話の流れ全体を把握しておくことは、受講生をひき込むうえでは欠かせません。
セミナー魔法のコツその2:話す内容は端的に!
冗長な話は極力避け、端的に話をするように心がけましょう。
ダラダラとしていて要領を得ない舞台やドラマは、見る側に必要以上の集中力を要求してしまいます。
セミナーについても同じで、講師がただ長々と難しい言葉を垂れ流しているだけでは、来場者は誰も耳を傾けてくれなくなってしまう可能性が高まるのです。
形式上聞いていたとしても、1日2日経てばあっという間に頭から抜け落ちてしまうことでしょう。
こうなってしまうことは、何よりも避けたいですよね。そのためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
まずひとつは、「できるだけ文章は短くする」ことです。以下の文章のうち、どちらが良いでしょうか。
短文を意識した文章
「このペンは、一見どこにでもある普通のペンに見えるでしょう。
しかし、実はある画期的なシステムが搭載されているのです。
ペン回しの要領で、くるりと一回転させてみます。
するとどうでしょう。
ペン先が消しゴムに切り替わったのがおわかりいただけますでしょうか。
この新しいシステムについて、わが社はすでに特許を取得しております。」
まとまりのない文章
「このペンは、一見すると従来通りの普通のペンに見えるかもしれませんが、実はある画期的なシステムを搭載しておりまして、実はすでにわが社のほうで特許を取得しているのですが、ペン先が消しゴムに切り替わるので少し見ていてください。
ペン回しの要領で回しますと、このように変わります。」
内容自体は変わりませんが、前者のほうが理解しやすいはずです。
台本を作る際に、ある程度細かく文章を切っておくことは意識しておきましょう。また、発表の練習も心がけておきたいですね。
セミナー魔法のコツその3:受講生は引きずり込め!
受講生を話にひき込むのは、例え話の大筋がしっかりとできていてもなかなか難しい傾向です。
そこで、おすすめなのが「受講生自身にも話に参加してもらうこと」を意識してみましょう。
講師が一方的に話を展開するばかりでは、セミナーはどうしても受け身になってしまいがちです。
お芝居に例えるならば、セミナーは大抵の場合「一人芝居」になります。
しかし、たった一人でお芝居をするには相当な修練が必要です。
ただ、一人芝居をしなければならない決まりはありません。
受講生に手伝ってもらうことは、決して悪いことではないのです。
話に参加してもらうには、「こちらから質問を投げかけること」を意識してみましょう。
台本を作る段階で、「ぜひここでリアクションが欲しい!」というところに質問タイムを設けてみるのです。
そうすることで、受講生全体に「セミナーの話題について考えようとする流れ」をつくりだすことができます。
ここでは、受講生の返答次第によってはどうしてもアドリブが必要になってきますが、ほかは台本通りで事足りるともいえます。
「本当に必要な場面以外ではアドリブをしない」ためには、やはり台本は大切です。
また、実はセミナーでは講師だけではなく受講生も同様に緊張しているものであります。
お互いの緊張を解きほぐす意味でも、質問を投げかけることは意外と効果的です。
冒頭にちょっとした質問を入れて、リラックスした状態でセミナーに臨みましょう。
この際の質問は、会場までの交通手段のような、他愛のないものでOKです。
セミナー魔法のコツその4:「引っかかり」をつくろう!
話題を長続きさせるには、「引っかかり」が大切です。
分かり切った流れを繰り返していると、そのうち聞き手の集中力は抜けてしまいます。話の展開に予想がつくようになってしまうと、頭はひとりでに「もうこれ以上聞かなくてもわかるだろう」と判断してしまいがちです。
そこで、ちょっとした「引っかかり」を話の中に混ぜ込むことで、セミナーをより魅力的なものにみせることができます。
次の文章のうち、どちらがよりひき込まれるでしょうか。
引っかかりを意識した文章
「指に小さなトゲが刺さってしまったとき、そのままトゲ抜きで抜こうとしていませんか?
実は、これは間違いです!より簡単に抜くには、5円玉の穴を押し当てて「患部を浮かせる」ことで、より簡単にトゲ抜きで抜くことができます。」
何も意識していない文章
「指に小さなトゲが刺さってしまったときに、簡単に抜く方法をご紹介します。
準備するものは、5円玉とトゲ抜きです。まず患部に、5円玉の穴を押し当てます。
すると患部が浮きあがるので、トゲ抜きで簡単にトゲを抜くことができるでしょう。
1つ目のほうが、よりひき込まれる文章であるはずです。
前半に振った内容を、途中で「実は間違いです」と一度否定していますよね。
こうすることで、受講生の頭の中で発生する「話の展開予測」を崩すことができるのです。
想定外の展開が起きると、受講生の意識は俄然セミナーにひき込まれるでしょう。」
セミナー魔法の裏ワザ:駄目なところは自らバラせ!
実は、「台本を作る」こと以外にもうひとつ、セミナーをうまくやり切る裏のコツがあります。
それは、「最初から欠点をオープンにしてしまう」ことです。
例えば、好きな役者について紹介する際に「○○さんは、少しだけ泣く演技が下手なところがあります。
しかし、笑い方のバリエーションがとても豊富で~」とあえて欠点に触れておくと、「この人は役者の欠点についても把握できているんだな」と思ってもらえるようになるのです。
把握しているマイナス要素を見せてしまうのは、必ずしも悪いことではありません。
むしろ、誠実さをアピールするうえではプラスになり得るでしょう。
また同時に、「指摘を先にかわすことができる」という点でもメリットがあります。
そのため、話すことが得意でない方ならば、本題に入る前に「あまり話すのは得意ではないですが、精一杯がんばります」と伝えておくだけでも信頼につながるのです。
ただし、信用に関わるレベルで致命的なものに限っては、欠点を見せないようにしておきましょう。なんでも開き直ればよいというわけではないので注意が必要です。
セミナーを制するには事前準備が大切!
セミナーにおいて大切なのは、事前準備を怠らないことに尽きるでしょう。
お伝えする内容はもちろん、「いかに理解してもらうか」ということも重要な要素であるといえます。
ぜひ振り返って、今後に活かしてみてくださいね。