顧客に支持される組織作りは“宗教構造”から学べ!

宗教構造というとあやしいイメージを持ってしまうかもしれません。

 

でも、安心してください。

今回の記事は、「宗教は素晴らしいから、ぜひ入りましょう」という記事ではありません。

 

「なぜ、キリスト教や仏教、イスラム教といった宗教は、何世紀にも渡って多くの人間に支持され続けているのか」

 

という部分を、マーケティングの観点から掘り下げ、それをビジネスに応用していくお話になります。

 

例えば、キリスト教でいうと宗教としての始まりが約2000年前、現在の信者数が20億人強という規模になります。

なぜ、こんなにも長期間にわたり、多数の人たちに支持され続けることができるのでしょうか。

 

この技術・方法・理論を掘り下げ、ビジネスに応用することができれば素晴らしいですよね。宗教構造をビジネスに応用できるということは、長期間にわたり顧客をファンにできるということです。顧客がファンになるということは、支持される組織作りができるということでもあります。

 

ぜひ、この記事で、この宗教構造をビジネスに応用するテクニックを身につけていただきたいと思います。

 

 

支持される組織論の根底にあるもの

「完全なモノの提供」という顧客との約束

 

例えば、AKB48のような熱烈な信者を抱えるアイドルは、それ自体が宗教化してしまっているかのように見えます。

 

それらの構造を突き詰めていくと、宗教の構造となんら変わらない構造をしているのです。

その宗教構造の原則は、「根本的に完全なモノを提供します」です。

 

では、「根本的に完全なモノ」とは一体どういったものなのでしょうか?

 

 

「完全なモノ=神」

 

「完全なモノ」とは、宗教構造上における「神」を指します。

どの教義でも、神とは、全てを知り、全ての欲を満たし、完全・完璧なモノであり、絶対に間違えないものと言われています。

 

マーケティングの世界では、例えば、ダイレクト・レスポンスマーケティングの戦略開発で有名なジェイ・エイブラハム(Jay Abraham)のように、「その分野においては絶対的に正しい」と言われているような人たちのことを指します。

 

もっというと、「この人・理論は、絶対正しく間違えない」と定義付けしたものが「完全なモノ」です。

 

これから、顧客から支持される組織作り・顧客をファン化する組織論についてお話をしていきますが、マーケティングにおいても、この宗教構造を応用できるのです。

 

 

STEP1:「完全なモノ」の代弁者を作る

完全なモノの代弁者=組織のリーダー=教祖

 

それでは、宗教構造をビジネスに応用する方法を解説していきます。

 

まず初めに、組織のトップを作ります。

組織のトップとは、宗教構造の教祖にあたります。

 

宗教構造の中の教祖とは、「完全なモノ」の代弁者に位置する人を指します。

もっとわかりやすくいうと、「その宗教の神の代弁者」=「預言者」のことです。

完全なモノである神様の言葉を、支持者に伝える人のことですね。

 

例えば、イスラム教でいうと神は「アラー」ですし、預言者は「ムハンマド」になります。

 

先ほどのマーケティングの世界の例でいうと、ジェイ・エイブラハム(Jay Abraham)がならば、ジェイ・エイブラハム(Jay Abraham)の理論を「絶対的に正しいもの」としてセミナーや講習会などで伝えている講師が代弁者になります。

 

 

組織のリーダーにふさわしい人とは

「私こそが教祖である」と盲目的に思える人

 

ここで、教祖としてふさわしい人はどんな人かというと、「自分こそが神の代弁者である」と盲目的に信じられる人です。

 

さらに、嘘をつける人であるとなおいいです。特に、嘘を付いていても「それは嘘ではありません。真実です」と言い切れる人は、神の代弁者になれる素質があると言えます。

 

これは、ビジネスでも一緒です。

 

 

思い込みが激しく、催眠にかかりやすい人

 

教祖の素質がある人のことを、もう少しわかりやすくいうと、思い込みが激しく・催眠にかかりやすい人です。

 

実際、宗教モデルやビジネスをしっかり作ろうとした場合に、教祖様になりやすい人を集めて催眠コンクールを行う場合があります。

思い込みが激しい人やアイドルになりたい人、有名人になりたい人、自分自身が世の中に出たいという人を集めてコンテストを開くのですね。

 

その中から、才能のある人をピックアップして教祖にしてしまうのです。

アイドルの選抜やオーディションのようなイメージですね。

 

 

強固な組織には頭のキレる裏方がいる

リーダーの後ろには優秀なプロデューサーが存在する

 

ここまで読んで、「教祖の作り方の説明ばかりで、マーケティングの話が全然出てこない」と感じたかもしれません。

 

また、教祖を作るにあたって「自分こそが神の代弁者にふさわしいと思っている」「嘘つき」に教祖になる素質があると言われて「それでは、私は代弁者になれないではないか」と思われたかもしれませんね。

 

そうなのです。もし、強固なビジネスモデルや集団、カルトな宗教を作りたい場合には、自分自身が教祖の役割を果たしてはいけないのです。

 

それではどうしたらいいかというと、代弁者をプロデュースする頭のキレる裏方になればいいのです。

 

この構造は、国民的アイドルグループでもそうですね。

アイドルとして表舞台に立つ教祖のような存在があり、裏には活動を支えるプロデューサーがいます。

 

プロデューサーとは、

 

「あなたにはアイドルになる素質がある」

「僕が必ず成功させるから信じてほしい」

「活動に関しては、全てこちらでやりますから、任せてください」

 

とアイドルを支え、表舞台に立たせる存在です。

 

すぐ消えていくリーダーに欠けるもの

 

FacebookやYouTubeで有名になっても、すぐに消えていってしまう人たちがいます。

そういった人たちは大抵、自分自身が教祖であり、プロデューサーにもなっています。一人二役を演じるとどっちつかずになり、ビジネスモデルとしても宗教構造としても崩壊しやすいのです。

 

なぜならば、教祖兼プロデューサーである場合、ふとしたきっかけで自分自身の商品やウリに自信がなくなってしまった場合に、言動に矛盾が生じてしまう可能性が高いのです。

言動に矛盾が生じると、せっかく付いたファンが離れていってしまいます。

それで、有名になってもすぐに消えてしまうのですね。

 

自分自身でビジネスを作る場合も、このパターンに陥ってしまうことがあります。

ある程度成功したときもそうです。自分自身や商品について迷いが生じてしまう場合です。

そうなってしまうと、成功するはずのビジネスも成功しません。

 

ですので、特に、商品をプロデュースする場合や、その分野についてよくわからないとき、自分の商品について絶対的な自信を持ち続けることが困難だと考えるときは、必ず教祖を作ることをおすすめします。

 

人は、心の底から一貫性を持って話しをしてもらえないものには、魅力を感じないからです。

 

 

不都合を隠し、組織の衰退を防ぐ

リーダーの絶対的な自信は崩してはならない

 

顧客に支持される組織の作り方として、宗教構造での教祖を作るというステップをお話してきました。

 

強固な組織を作るのであれば、表舞台に立つ“教祖”の存在と、裏で淡々とプロデュースを行う人間が必要なのでしたね。

 

ここで1つ、作り上げた教祖について注意しておかなければいけないことがあります。

それは、顧客からのクレームなど、教祖の信念が揺らぎそうな言動は教祖の耳には入れないということです。

 

どんなに固い信念を持っている教祖も人間です。顧客からのクレームによって、「自分の言動が絶対的に正しい」という自信が揺らいでしまう可能性があります。

 

先ほど、すぐに消えていく有名人の部分でお話をしたのですが、万が一教祖の言動に矛盾や迷いが生じてしまうと、顧客が離れていくことに繋がります。

 

ビジネスでいうと、組織のトップが自社製品のことを信じられなくなってしまう状態ですね。

 

このような事態の発生を防ぐために、あくまでも教祖は教祖としてあり続けられるような処置を常時とっておくことが重要なのです。

 

 

STEP2:競合の考えを否定する

顧客に支持される根拠=大義名分を作る

 

次のステップにやるべきことは、「大義名分を作る」ことです。

大義名分とは、「競合の考えの否定」であり、「顧客が自分たちの商品を選ばなければならない理由」です。

 

例えば、「今までの理論は間違っている。そして、いつまでも正されない。だから、私たちがやるんです」や、「今までのアイドルは、ファンが会えないアイドルだった。だから、ファンが会いにいける、身近なアイドルを作ったのです」というものですね。

 

この大義名分を作るときに、絶対にやらなければならないのが、競合や既存のものの否定です。他のものを否定し、自分がやらなければならないのだという大義名分を作ることで

 

「あなたのような方をお待ちしていたんです」

「ぜひ、あなたのレッスンを受けさせてください」

「あなたの商品を買わせてください」

 

というファンができるのです。

 

 

STEP3:考え方を体系化する=教義を作る

教義は全てが新しいものである必要はない

 

教祖を作り、競合を否定しました。次にやるべきことは、競合を否定するに至った考え方を体系化することです。これは、宗教構造の教義にあたります。

 

つまり、「なぜ今までの理論や方法はダメなのか」「どうして自分たちの理論が優れていて素晴らしいのか」について具体的かつ体系的にするということです。

 

こういうと、「自分の考え方を体系化するってどういうことだろう」「全く新しいものを作り上げるなんて難しい」と感じる方が多いと思います。

 

心配する必要はありません。

新興宗教の場合もそうなのですが、全く何もない状態から全てを作らなければならないことはないのです。

 

つまり、既存のものの改作でいいのです。

 

 

付加価値を2割つける

 

「今までの考え方は違う」「私たちの商品はこんなにも素晴らしい」と訴える際に、競合との差は2割程度あれば大丈夫なのです。

 

8割が既存のものや競合のものと一緒だったとしても、2割程度違っていれば、人は惹かれます。むしろ、全く新しいものよりも大半が既存のものと同じ方が馴染みやすく、浸透しやすいのですね。

 

例えばAKB48もそうです。

 

国民的アイドルとまで言われる彼女たちですが、ダンス・歌・グラビア写真集など、今までのアイドルとはほとんど変わりません。

 

もしAKB48が、猿や象、キリンなどの人間が出てこないアイドルだったらどうでしょうか。アイデアは斬新かもしれませんが、いかにファンが会いにいけるアイドルだったとしても、ここまでの人気にはならなったのではないでしょうか。

 

ですので、基本的には「今までにない」部分は2割程度で、残りは改作で大丈夫なのです。

 

 

突拍子のなさ=2割の差

 

それでは、「今までにない」2割はどうやって作ればいいのでしょうか。

今までにないというからには、斬新なものでなければいけないのですが、これは突拍子もないことを付け加えることで作ることができます。

 

新しいダイエット方法について作ることを例にあげます。

毎日の運動、栄養バランスの取れた食事、健康的な睡眠習慣などの既存ダイエットと同じことの他に、突拍子もないことを付け加えてみてください。

突拍子もないこととは例えば、「牛のおしっこを飲んでください」などです。

 

「そんなに突拍子もないことは誰も信じないでしょう」

と思われたかもしれませんが、必ず信じる人が出てきます。

 

なぜかというと、今までのものを信じていた人たちの中には、「今までの方法では効果が得られなかった」「この方法は間違っているのではないか」と、既存の方法について懐疑的になっている人が一定割合いるからです。

 

ですので、「牛のおしっこを飲んでください」という新しいダイエットを提唱したときに「もしかして、今までのダイエットで成果がなかったのは、牛のおしっこを飲まなかったからかもしれない」という人も必ず出てくるのです。

 

 

突拍子のなさの解釈は後からついてくる

ファンが意味を考えてくれる

 

そして、突拍子もないことを信じる人は、その突拍子もないことについての意味を考え始めます。

 

先ほどの例だと、「なぜ、牛のおしっこがダイエットにいいのか」ということを考えるのです。解釈を作ってくれると言い換えてもいいでしょう。

 

そういった解釈が、体系化されることによってわかりやすくなり、その結果、広がっていくことになります。

 

教義の作り方についてまとめると、8割は既存、2割は突拍子もないこととし、突拍子もないことの解釈は信じてくれた人たちに任せる。

そして、それを体系化してまとめていくということになります。

 

 

なぜ宗教構造に人は弱いのか

救済構造に人はすがる

 

ここまで宗教構造をビジネスに応用するということで、教祖の立て方、プロデューサーの大切さ、教義の作り方についてお話をしてきました。

この3つのステップで、宗教構造を応用した組織の作り方の基本ができるわけですが、そもそも人はなぜ宗教構造に弱いのでしょうか。

 

それは、宗教構造が「困っている人を救済して幸せになってもらおう」という構造をしているからなのです。

 

 

「全てをわかりたい」を叶える構造

 

そもそも人は、いつどんな時であっても完全性を求めて止まないものなのです。

わからないことがあると怖いと言い換えてもいいでしょう。

 

つまり、人はわからないものをわかろうとする根本的な欲求を持っています。全てのことをわかっていたい・知りたいという強い欲求ですね。

 

この強い欲求に「神」という完全なモノを使って答えていくのが、宗教の最も大きな構造なのです。

 

 

不完全なものを補完する神

 

「完全なものは、存在しない」という原則があります。これを不完全性定理というのですが、「この世の全ての事象に答えがある」わけではないのです。

 

宗教には、「私たちの神を信じてもらえればどんな苦しみからも救われます」という教えがあります。これはつまり、不完全な部分について「完全なモノ」である「神」を利用して答えているということでもあるのです。

 

不完全な部分を神で補完しているということですね。

 

つまり、人は宗教構造における「完全なるモノ=神」の存在を信じることで、全てをわかりたい・知りたいという欲求に答えてもらうことができるのです。それゆえに、宗教構造は人に支持されるのですね。

 

 

まとめ

 

今回は、宗教構造から顧客に支持される組織の作り方についてお話ししてきました。

宗教構造は、神という完全な存在を、教祖が教義として広めていくものでしたね。

 

ビジネスで応用する場合は、まず教祖となるべき組織のリーダーを選び、リーダーがリーダーであるためのプロデュースをする人間を他におきます。

 

さらに、競合や既存のものを否定し、新規性のあるものを2割程度含めた考え方を体系化し、広めていくという方法でした。

 

宗教というと、「なんだかあやしい」というイメージを持ってしまいがちですが、数千年単位で人類から支持され続ける宗教には、学ぶべき部分が多くあります。

 

人々に支持されているものだからこそ、様々なこと学んでいきたいですね。

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