セミナー講師を引き受けたとき、「みんな話を聞いてくれるだろうか」「上手に話せるだろうか」と不安になるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、人気セミナー講師が実践しているコツを4つに分けて解説していきます。
目次
コツその1.お客様を「当事者」に変える
お客様を「当事者」に変えられると、セミナーの評判は良くなります。
セミナー講師にとって、せっかく来てくれたお客様が退屈しているのを見ると心が折れそうになるでしょう。
あくびや居眠りを眺めながら話を続けるのはつらいものです。
こうした現象が起こるのは、「セミナー講師の話がつまらないから」とも言い切れません。
本当の原因は、お客様が話を自分の人生に置き換えられていないからです。
人気セミナー講師はお客様に当事者意識を持たせて、その場に「参加」させます。そして、最初から最後までお客様の興味を持続するのです。
具体的なコツとして、「質問」から始めるのは定番です。
「みなさんは、どうしてお金を稼ぎたいと思うのですか?」「みなさんに夢はありますか?」と、少し大げさに切り出してみましょう。
あまり集中できていなかったお客様すら、質問をされると反射的に答えを考えてしまうはずです。
その瞬間からお客様は当事者になっています。
セミナーの内容を自分の問題にあてはめ、答えを聞きたいと願い始めるでしょう。
このとき、お客様の1人をあてて「あなたはどう思いますか」と答えさせるのも効果的な方法です。
ただし、相手がまともに答えられなかったら空気が白けますし、恥をかかせてしまうことにもなるので、フォローまで想定しておきましょう。
「大丈夫、答えはこれから考えていきましょう」とやさしい言葉をかけるようにします。
そのほか、お客様にあえて疑問を抱かせるのもコツです。
「私は今、とても楽しいんです」と宣言しておいて、理由を述べないまま話を続けます。
そうすると、お客様は話の先が気になり集中して耳を傾けてくれます。
このように、セミナーでは一方的に話すのではなく、お客様が夢中になって聞きたがるような演出を実践してみましょう。
コツその2.セミナーにドラマを作ろう
人気セミナー講師は、話に「ドラマ」を織り交ぜます。
中でも、「具体例」は、もっともわかりやすいドラマだといえます。
単に「理論」や「法則」を話されてもお客様はピンときません。
むしろ、学校の授業を受けているようで退屈してしまいます。しかし、「たとえば、私はこの方法をセールスに活かしてみました」と具体例が挟まることにより、お客様の興味はふくらみます。
また、理論を実証するエピソードが示されれば、講師の説得力も増すでしょう。
また、淡々と話すのではなく「強弱」や「緩急」も大切です。
セミナーに慣れていない講師ほど、「しっかり話さなければ」という気持ちが強すぎて早口になりがちです。
そこで、あえて間を取ったり、ゆっくり話すフレーズを作ったり工夫しましょう。
今から重要な内容を話すと、リズムで伝えればお客様は集中しやすくなります。
ずっと話し続けていた講師が急に黙ったら、嫌でもお客様は次に何が来るのか気になりますよね。
こうした緩急を覚えると、「裏切り」という応用テクニックに進めます。
まず、お客様が十分に想定できる常識的な内容をまくしたてましょう。
そのうえで、「はい、では今の内容を全部忘れてください」と真逆の主張を展開するのです。
お客様はパニックになり、「どういう意味だ」と考えます。
そのタイミングで本当に伝えたいテーマを話すと、お客様は真剣に内容を吸収してくれるでしょう。
ただし、こうしたドラマティックなセミナーを行うには、アドリブだけに頼ると危険です。
緻密に起承転結を構成するからこそ、お客様を引き込めるだけのセミナーが実現するのです。
セミナーの内容は必ず台本に起こし、リハーサルを重ねて精度を磨くようにしましょう。
コツその3.セルフプロデュースを行う
セミナー講師には「セルフプロデュース」も重要です。
実際の自分よりもステータスがあり、カリスマ性のある人物だと思わせることも立派なテクニックです。
歴史上の有名な指導者を振り返れば、セルフプロデュースの大切さは理解できるでしょう。
偉人ほど髪型、服装、話し方などが鮮明に思い出せますよね。
なぜなら、彼らが自覚的にカリスマを演じ、人々に信じ込ませていたからです。
まず、服装に関しては高級感を第一に考えます。
庶民的に振る舞う必要はありません。
ブランドのスーツや小物をまとって、お客様にとっての羨望の対象になりましょう。
ただし、サイズ感などに注意して自分に似合ったアイテムを選ぶようにします。
どんなに高価でも、体格に合っていないと「着慣れていない」ことが伝わってしまいます。
また、お客様の層を見極めるのも肝心です。
女性相手ならさわやかな色づかいで親しみやすくするのがコツです。
一方、男性相手ならシックなコーディネートで「憧れの大人」になるのもいいでしょう。
話している最中の姿勢や声も細かく意識します。
成功者は自信満々に話すはずなので小声なのは厳禁です。
また、「~ではないでしょうか」と疑問型にしたり、「~と思います」と付け加えたりするのも自信なさげに見えかねません。
語尾は断定口調にして、正しさを強調しましょう。
そして、ゆっくりと1文を短くしてスピーチします。
さらに、姿勢は常にまっすぐを保ちお客様と目を合わせるように心がけましょう。台本を読みながら話すのではなく、「読んでから話す」ことを注意すると自然に目線は上がります。
そして、ジェスチャーを加えればよりカリスマ性は強調されます。
力強く握り拳を作ったり、優雅に手のひらを広げたりと、ジェスチャーはお客様の視覚に訴えかける手段です。
印象的なジェスチャーは、講師の姿を記憶に刻み付けてくれます。
講師はビジュアルも仕草も気をつかい、お客様にとってのカリスマになりましょう。
コツその4.心理的なテクニックも応用する
セミナー講師がお客様の支持を得るには、心理的なテクニックも駆使しましょう。
まず、「欠点をさらけだす」方法です。
ある程度話が進んだ後で、「実は、私も会社をクビになった経験があるのです」と弱い部分を告白しましょう。
そんなことを言うと、「お客様が離れていくのではないか」と不安になりますよね。しかし、自信満々に話していた講師が急に欠点を見せてくれると、お客様は親近感を覚えてくれます。
強い部分だけを主張しても、共感は得られません。
適度に欠点があるからこそ、愛される講師になれるのです。
次に、お客様に「特別感」を与えてみましょう。
たとえば、あるエピソードを話すときに「これは今日初めて言うことなのですが」などと前置きします。
あるいは、「とても楽しいのでこんなお話までしたくなりました」といったフレーズも効果的です。
ほかのお客様は知らない情報を自分が知っているという特別感は、セミナー講師への思い入れに変わります。
そして、「この人の話をもっと聞きたい」と思うようになります。
いわば、アイドルとファンの関係に似ていますね。
セミナー講師も自分のファンを作るために働きかけていきましょう。
最後に、セミナーが「希望を与える内容」であることも大事です。
セミナーの途中でお客様の不安をあおるのも駄目な構成ではありません。
しかし、もしも不安を解決しないままセミナーを終えてしまうと、お客様の後味は悪くなります。
そして、そんな気持ちにさせられる話を2度と聞きたいとは思ってくれないでしょう。
セミナー講師は、お客様に問題を提示するだけでなく、解決の糸口を教えるまでが役割です。
晴れやかな余韻にひたれるからこそ、お客様は講師を信頼しリピートしたいと感じてくれます。
お客様の「聞きたいこと」を反映できるようになると、講師の人気は上昇していくでしょう。
人気セミナー講師になるコツは「演出」にあり!
セミナーでは話の内容だけでなく、演出も重要です。
台本を作って構成を決めたら、話し方やジェスチャーを練習して魅力的に見える講師を目指しましょう。
そして、お客様を「来てよかった」と前向きな気持ちに変えることが肝心です。