相手の心をつかむ話し方が習得できたら、ビジネスの商談はもちろん、プライベートでも苦労を知らずになれるかもしれません。
世間には「心をつかむテクニック」「人を動かすポイント」などのノウハウ集が溢れていますが、本質的な理論を知らなければ所詮はその場しのぎの小手先だけのテクニックになってしまいます。
今回の記事では、誰でもできる心をつかむ話し方ということで、小手先のテクニックではなく、心をつかむために知っておかなければならない理論について解説をしていきます。
「今まで、心をつかむテクニックを教わってきたけれど、ビジネスシーンにしか活用できなかった」
という方も
「気がつけば何冊も心をつかむ話し方の本を買ってしまっている」
という方も、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
セミナー参加者の心をつかむための基本知識
オープンマインド&クローズマインド
心をつかむ話し方を習得するために必ず知っておかなければならないのが、人間の心理です。
特に重要なのは「オープンマインド」「クローズマインド」です。
簡単にいうと、オープンマインドは物事に対して「安全だ」と思っている状態のことです。
そして、クローズマインドは「危険だ」「怖い」と思っている状態のことです。
これだけでは分かり辛いと思いますので、例えを出しますね。
道を歩いているときに、正面から見知らぬ人が話しかけてきたとします。そして
「握手をしてください」といったとします。
そのときに、「え?何だろうこの人?気持ち悪い…」と思っている状態がクローズマインドです。
逆に、オープンマインドとは、正面から来た人が家族やごく親しい友人だった場合です。
正面から家族がやって来たら「握手をしてください」と言われなくても親しげに話をすることができますし、久しぶりに再開する知人であれば再会のハグをすることにも抵抗がないはずです。
このようなことができるのは、オープンマインドの状態だからなのです。
つまり、オープンマインドの状態は対象のことを「安全」と信じている状態なのです。
オープンマインド=心を開いている
オープンマインドは、対象に対して「安全」と感じている状態です。それに対して「クローズマインド」は対象に対して「危険」を感じています。
心を掴みたいなら、クローズマインドの状態をオープンマインドにするテクニックを身につけなければいけません。
先ほどの例でいうと、道ですれ違った見知らぬ人に握手をさせるテクニックを身につける必要があるということです。
ここから先は、クローズマインドを崩し、オープンマインドの状態にするテクニックをご紹介しますね。
クローズマインドを崩す3つのポイント
共通項は「脳に負荷をかけること」
クローズマインドを崩すには、3つのポイントがあります。
1、時間を与えず1つのものに集中させる
2、脳を処理不能にさせる
3、安心・安全なものだと錯覚させる
3つのポイントに共通することは、脳に負荷をかけるということです。
詳しく説明しますね。
時間を与えず1つのものに集中させる
人の脳は、原則的に1つのことにしか集中できない構造になっています。
音楽を聴きながら本を読んだり、音楽を聴きながら車の運転をしていたとしても、ごく短い時間で計測すると、音楽に集中している時間と本を読んでいる時間は別々に別れているのです。
この「時間を与えず1つのものに集中させる」ポイントを使用すれば、先ほどの例でいう見ず知らずの人の手を握らせることも可能です。
例えば、音楽を聴きながら道を歩いている人にいきなり手を差し出すと、今まで音楽に集中していた脳が、その瞬間に差し出された手に向きます。
そうすることで、考える暇もなく手を差し出し返すという行動にうつりやすいのです。
これをセミナーで応用すると、セミナーの冒頭部分で予習動画を見せたり、1分間のセッションを行ったりすることが考えられます。
何かに集中した後というのは、他のものが入りやすいのです。
脳を処理不能にさせる
先ほどの項目では、脳は1つのものにしか集中できないとお伝えしましたが、脳はたくさんのことを同時にやることも苦手です。
クローズマインドを崩す2つ目のポイントは、脳はたくさんのことを同時に行うことが苦手であるということを利用します。つまり、多数のことを同時に行わせることで、脳を情報処理不可能な状態にするのですね。
脳を情報処理不可能な状態にする簡単な方法は、肉体的苦痛を与え続けることと、同時進行で多数のタスクの処理をさせることです。
肉体的苦痛を与え続けられた場合も、同時進行で多数のタスクを処理させられた場合も、脳は一種のパニック状態になります。
パニック状態におちいった脳は、何を言われても「YES」としカこたえられないような状態になるのです。
例えば、砂漠の真ん中で道に迷ってしまったとして、今すぐ水が欲しい状態のときに、コップいっぱいの水が10万円で売られていたら、迷わず購入してしまいますよね。
平常な状態あれば絶対に購入しない料金なのにも関わらずです。
安心・安全なものだと錯覚させる
人は、安心・安全なものだと信じているものに対しても、オープンマインドでいます。
ある事象に対して「安心・安全である」と思わせる原理があるのです。
CMでも起用している購入意欲をかき立てる裏技
いくつかあるうちの1つに接触頻度の原則があります。
これは、人は、何度も同じものを見たことがあるものを「安心・安全」だと思うという原則です。
例えば、量販店の売り場で、同じ価格、似たようなパッケージ・効能の商品があったとしたら、人は見たことが多い方を購入するのです。
それがシャンプーなら、CMで見たことが多い方を選ぶのですね。
この接触頻度の原理をビジネスに応用すると、売りたい商品を見込み顧客の目に留まる場所に置いておくという手段が考えられます。
参加者に“YES”と言わせるセミナー中の仕掛け
YESセット方式も繰り返しによって「安心・安全」だと認識させるテクニックです。
YESセット方式とは、繰り返し同じセリフを言わせることで、クローズマインドの対象であったものをオープンマインドの対象であるかのように認識させるテクニックです。
繰り返し同じことを言わせるということが非常に重要な要素になるテクニックになります。
安心・安全なものであると感じさせるためにボディランゲージを用いて、言葉に説得力を持たせることが有効です。
「ボディランゲージで相手を誘導できる!講師必読の心の読ませ方」では、今すぐに実践できるボディランゲージについて解説しています。
ぜひ参考にしてください。
実践的なクローズマインドの崩し方
3つのポイントの使用例を具体的に
それでは、3つのポイントを使用した具体例を少しご紹介します。
それぞれについての個別の例ではなく、3つのポイントを併用した場合の例になります。
まず、時間を与えず、1つのものに集中させるポイントを使用して
「5分以内に申し込みをしてください」
「自動配信のe-mailには1分以内に回答を入力してください」
「時間内に決済を完了しない場合、同一商品の購入は二度とできません」
といった時間制限を加えます。
時間制限を加えることで、脳が一気に情報処理不能の状態になるのです。
この時間を区切り制限を設けるという行為は、突然行うほどに効果を発揮します。
脳が処理不能になった状態は決断力が鈍っている状態です。
この状態のときに、お願い事や商品の購入を促すようにすると、人はそちらに意識が向きやすくなるのです。
ここで重要なポイントが、「伝えたいことは必ず伝える」ということです。
伝えたいことをしっかり伝えなければ、人の意識は向いてくれません。
安心・安全なものであると錯覚させたいことがあるのであれば、脳が混乱している状態のときにしっかり伝えるようにしましょう。
セミナーでクローズマインドを崩す手法は、お客様がセミナーで寝ない工夫とも重なります。
「お客様がセミナーで寝てしまう原因は講師にあった!寝せない方法とは」では、セミナーでお客様が寝ないようにするための方法について紹介していますが、クローズマインドを崩す方法としても利用できますので、参考にしてください。
心をつかむ力が倍増する武器
立場を利用したオープンマインドにする方法
心を閉ざしている状態であるクローズマインドを解放するための3つのポイントをご紹介しました。この3つのポイントが特に発揮されるのが、牽引性を使用できる場です。
牽引性を使用できる場というのは、話者の立場が相手よりも少し上の場合です。
例えば、セミナー講師と聴取であったり、先生と生徒という状態ですね。
「牽引性で倍増すると言われても、自分にはなんの肩書きもない」
と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、この牽引性は、自分のプロフィールを本の少し工夫することで簡単につけることができるのです。
牽引性が強くなればなるほどに相手をオープンマインドにすることが容易になります。
牽引性を発揮する方法として、お客様にカリスマ講師と思わせるテクニックが利用できます。
「カリスマスピーカーが教える、印象に残るプレゼンの話し方」では、セミナー冒頭からお客様に「この先生はすごい!」と思わせるための話し方のテクニックを紹介しています。
知っているかいないかで雲泥の差がでますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
誰でも心をつかむ話し方ができる究極の理論を教えますということで、オープンマインドとクローズマインドのお話をしました。
相手が「この人・物は安心できる」と考える状態で話をすることで、相手の心をつかむことができ、「この人・物は危険」と考えている状態はテクニックを使用すれば崩すことが可能なのでしたね。
また、牽引性があることでクローズマインドの状態をオープンマインドにすることが簡単になるのでした。
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