セミナーの参加費だけで、セミナーをビジネスとして成立させるのはほぼ不可能です。
セミナーをビジネスとして成立させるためには、商品販売をする必要があります。
今回の記事では、セミナーの売上を上げるために必要な考え方と、お客様への具体的なアプローチ方法、クロージングの仕方などを解説していきます。
目次
セミナーで売上を上げるには
バックエンド商品で売上を上げる
セミナーで売上を上げるには、いくつかのパターンがあります。
その中の一つが、「バックエンド商品で売上を上げる」です。
バックエンド商品とは、平たくいうとセミナーが終わった後に提供する商品のことです。
例えば、セミナー講師の著書の販売がそうですし、ダイエット系のセミナーであればダイエット器具の販売になるでしょう。
金融系のセミナーなら、その場でFX口座の開設や個人面談の権利の販売などがバックエンド商品になります。
つまり、「バックエンド商品で売上を上げる」とは、セミナーが終わった後に商品販売をすることで売上を上げる方法です。
セミナーの商品販売は「セールス≠ヘルプ」
「セミナーで売上を上げるには、セミナーで商品販売をする」と聞いても、自分のセミナーで商品販売をすることに抵抗を感じる人は少なくありません。
そういった抵抗感を感じる人の多くが、
「セミナーで商品販売をする=セールス」
と考えていらっしゃるのですが、その考えは間違いです。
セミナーでの商品販売はお客様に対するセールスではなく、お客様に対するヘルプなのです。
ここでセールスとヘルプの違いを確認すると、セールスとは、商品を必要とせず、買う気も興味もないお客様に無理やり商品販売をすることです。
逆にヘルプは、商品を必要とし、買う気も興味もあるお客様に商品を提供することです。
例えば、あなたが薬屋さんで、目の前に怪我をしている人がいたとします。
「助けてください」と助けを求めているその人に商品を提供することは、セールスではなくヘルプということになります。
セミナーでの商品販売は、あくまでも「欲しい」「興味があります」「売ってください」というお客様に対する「ヘルプ」であって、「いらない」「興味ない」という方に対するセールスであってはならないのです。
商品販売が上手=ヘルプの状況を作り出すのが上手
つまり、セミナーの売上が大きいセミナー講師は、お客様を「ヘルプの状態」にするのが上手ということです。
お客様が、
「どうしてもその商品が欲しいんです」
「セミナーで感銘を受けました、関連商品があるなら、ぜひ売ってください」
という状況を作り出す技術に長けていると言い換えてもいいでしょう。
ヘルプの状態を作り出す考え方
セミナー=商品のダイジェスト版
それでは、お客様を「ヘルプの状態」にするためにはどうしたらいいのでしょうか。
お客様がどうしても商品を欲しくなる状態にする最重要ポイントは
「セミナーで、販売商品のダイジェスト版を行う」
ということです。
つまり、セミナーを商品のお試し版にしてしまうのですね。
なぜ、セミナーを商品のお試し版にするのかというと、ヘルプの状態になったお客様だけに商品販売をするためです。
商品販売のためにお客様を「わける」
セミナーを二部構成にする
ヘルプの状態になったお客様にだけ商品販売を行うために、セミナーではお客様をわけましょう。
せっかくセミナーに来てくださったお客様でも、セミナーを受講しているうちに「やっぱりあまり興味がないな」というお客様と「商品があるなら欲しい」というお客様にわかれてしまいます。セミナーでの商品販売のターゲットになるのは、「商品があるなら欲しい」というお客様です。
ですので、セミナーを二部構成にしましょう。
前半:お客様が商品に興味を持つパート
後半:商品に興味を持ったお客様だけが参加する商品説明会パート
前半のパートが終了した時点で、お客様を「興味のあるお客様」「興味のないお客様」にわけることが大切です。
また、この二部構成は、セミナーの最も基本的な形になります。
お客様をわける3つの方法
それでは、興味のあるお客様だけを残すためにはどうしたらいいのでしょうか。
いくつか方法があるのですが、ここでは最もスタンダードな3つのスタイルについてお話しします。
スタンダードなスタイルの3つは
1.直接受付をする
2.面談・面接・相談を受付する
3.アンケートを実施する
の3つです。
この3つの方法について具体的にどのような方法なのか解説しますね。
直接受付をする
直接受付をするやり方は、例えば前半のパートが終了した時点で
「後半のパートに参加を希望する人は、座席の後ろにある受付で受付をしてください」
とアナウンスをするようなパターンです。
つまり、
「興味のあるお客様だけサインアップ(署名)してください」
というやり方になります。
直接受付をするやり方は、自発的に参加意思を表明したお客様が後半のパートに参加してくれるというメリットがあります。
しかし、その場でサインアップ(署名)することに抵抗を感じるお客様も少なからずいらっしゃるのも事実です。これから紹介する2つの方法は、そんな抵抗のあるお客様の抵抗を少なくするために有効になってきます。
面談・面接・相談を受付する
その場でのサインアップ(署名)に抵抗を感じるお客様は、女性やセミナーに慣れていないお客様に多いです。
そういったお客様が感じている抵抗を少なくするために、面談・面接・相談を受け付ける方法が効果的です。
つまり、
「興味のある方は、一対一での面談を無料でしますので、それから決めてください」
という提案をお客様にするのです。
その場でのサインアップ(署名)に抵抗を感じるお客様の中には、
「無料で面談ができるなら面談したい」
「相談ができるなら相談してから決めたい」
というお客様が非常に多くいらっしゃいます。その場でのサインアップ(署名)まではいかなくても、面談や相談といったワンクッションを置くことで抵抗感を和らげることができるんですね。
アンケートを実施する
お客様の中には、相談や面談が無料でできると聞いても、ためらっているお客様がいらっしゃいます。ですが、そんなお客様でも実は
「面と向かって言う勇気はないけれど、訊きたいことがある」
という欲求を持っているものなのです。
面談や相談さえも遠慮してしまうお客様に対して有効な方法が、アンケートを実施する方法です。
つまり、
アンケートを実施し、その場で質問を受け付け、その後に面談や後半のセミナーに参加してもらう。
という方法です。
アンケートを実施する方法は、お客様の心理的負担がとても軽い方法です。直接誰かと話をするわけでもなく、しかも無料ですることができるからです。
「直接受付はしたくない」「相談も面談も嫌だ」というお客様でも、「あと一言押してくれれば後半パートに参加するのに」という思いを持っていらっしゃいます。
アンケートの実施は、そんなお客様の背中をぐっと押してあげるのに最適な方法と言えるでしょう。
商品販売時には制限を入れる
ここまでは、セミナーでの商品販売にあたっての基本の考え方やお客様をわける方法についてお話ししてきました。ここからは、商品販売のシーンで役に立つ重要な考え方をお伝えしていきますね。
制限があることで最後のひと押しが効く
それは、
「セミナーで商品販売をするなら必ず“制限”を入れる」
ということです。
というのも、商品販売にあたって何も制限が無い状態はお客様への最後のひと押しができない状態だからです。
制限が無い状態とは
「今ではなくても買うことができる」
「いつでも買える」
「どこでも買える」
という状態のことです。一見するとお客様思考の素晴らしい態度に見えます。
しかし、商品販売がうまくいっていないセミナーの多くが、この制限なしの販売方法であるがために失敗しているのです。
人数で制限を入れる
それでは制限がある状態がどういう状態かというと、例えば人数で制限を入れた状態はこのような状態です。
「今日、このセミナーには、100人の方が来ています。この中で商品を手に入れられる方は10人の方だけです」
というような状態です。
時間で制限をする
時間で制限をすることもできます。時間で制限をする場合は、
「本日のセミナーはこれで終了です。このあと10分間だけ受付をします。商品の販売はこの10分間で受付をしてくださった方だけの販売になりますので、皆さんこの機会にぜひ商品を手に入れてください」
という制限になります。
どちらの制限も、「今、ここを逃したら買えない」という制限になります。
エリート(élite)クローズ
また、「エリート(élite)クローズ」という制限の仕方もあります。
これは特に、商品販売が苦手意識を持っている方、女性の方にオススメの方法です。
エリート(élite)は、フランス語で「えり抜きの人、選良」という意味の単語です。
つまり、「エリート(élite)クローズ」とは、セミナー講師が選んだお客様だけが商品を買うことができるという制限方法になります。
極端なエリートクローズの例を上げると、セミナーの申し込みの時点でエリートクローズをしているセミナーがあります。
セミナーの受講料が20万円というセミナーなのですが、このセミナーは受講するにあたって審査があるのです。つまり、「セミナーを受講させるかどうかは、審査の結果を見てセミナー講師が決める」というセミナーです。
20万円という受講料は、セミナーのとしては非常に高額な受講料です。ですが、審査の合格通知を受け取ったお客様の80%が受講料を支払いセミナーを受講します。
なぜならば、合格通知を受け取ったお客様は「この権利を離したくない」という心理が働くからなんですね。
極端な例をあげましたが、もっと一般的な例ではアンケートを使った例があります。
商品が欲しいという方にアンケートを書いてもらい、そのアンケートの結果を見たセミナー講師がこの人になら売りたいという人にのみ商品を販売するというやり方です。
先ほどは、お客様をわけるためにアンケートを出しましたが、アンケートはお客様を「選別する」のにとても役立つ道具なのです。
まとめ
セミナーで売上を上げるためには、商品販売を上手にする必要があります。
実際、セミナーで大きな売上を出しているセミナー講師の多くがバックエンド商品などの商品販売を行っているのです。
今回の記事では、バックエンド商品をスムーズに販売するための方法や考え方をお話しました。
ぜひ、あなたも自分のセミナーで今回お話ししたことを実践してみてください。そして、セミナーで大きな売上を作る足がかりにしてください。